Paris Est ~ Meaux

 パリの東駅は、北駅と歩けるほど近い。ユーロスターなどの発着する北駅に比べると地味な印象がある。実際にはTGVの発着本数は多く、鉄道ターミナルとしての貫禄を保っている。しかし、通勤・近郊列車の発着は少なく、郊外鉄道RERも、ここには発着しない。


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 今日のパリは祝日。飛行機の時間まで予定外に数時間の空きができたので、この駅にぶらりと来てみたのだが、TGVなど優等列車の発着が多く、近郊鉄道としては、モー(Meaux)という所までが30分毎と、割と頻繁に走っているぐらいで、他は少ない。近くても、本数の少ない所にうっかり行ってしまって、飛行機に乗り遅れてはいけない。突然できた空き時間で、下調べもしてなかったので、おとなしく Meaux までの往復切符を買い、乗り込んだ。2階建て4輛編成で、乗車率は2~3割程度か。中途半端な時間に中途半端な郊外まで走る列車であれば、そんなものであろう。

e0028292_4171777.jpg 何とここでは昔懐かしいジリジリジリという発車ベルがレトロ感たっぷりに鳴って、11時30分、定刻に発車。ちなみにフランスでも今は電子音の発車ベルが主流だし、そもそも欧州ではそういうベルなど一切鳴らないことの方が多い。それがこんなパリの主要ターミナルで聞けるとは思ってもいなかったが、いい音であった。やはり鉄道はこれでなくては。ましてや最近のJR東日本の下品なメロディーなど論外であると、久々にこの音を聞いて改めて思う。

 発車すると多数の線路を掻き分けながら進む。周囲は昔の操車場跡もあり、車輛基地もあり、その他にもわけのわからぬ多くの線路があり、パリの都心に近い一等地に、鉄道の土地が山ほどあることがわかる。いつの間にか、地下から出てきて合流してきた郊外鉄道RERの線路が右手に並んでいる。あちらにはこまめに駅があるが、こちらには駅がない。10分ほど走り、そのRERの駅を3つほど過ぎたあたりから、車窓はビルが減ってきて、一戸建て住宅が多くなる。

e0028292_4175767.jpg 最初の駅は、Chelles Gourney で、RERはここが終点である。既に十分郊外という感じの風景だが、東駅からノンストップのこの列車では、15分しかかかっていない。パリは欧州でも著名な大都市だが、東京に比べると都市の規模は小さい。というより、やはり東京が異常なのであろう。パラパラと下車客があり、RERから乗り換えてきたと思われる客が若干乗車する。

 RERが各駅停車とすれば、こちらは区間快速だ。ここからは各駅停車だが、日本の郊外鉄道よりは駅間距離が長く、1駅5分ぐらいかかる。次の Vaires Torcy は、いかにもベッドタウン駅という感じであった。

e0028292_4182667.jpg その次の Lagny Thorigny も同様で、駅に隣接してバス乗り場がある。Lagny Thorigny を出ると、家並みが途切れ、畑作地帯となる。隧道もある。この景色をパッと見ると、もはやパリ郊外とは思えない、フランスの田舎の農村風景である。次が Esbly。支線が分岐する乗換駅だが、これまでで一番閑散とした駅だ。ある程度の下車客があり、ここから乗ってくる人も僅かながらある。駅周辺は、パリ近郊というよりは、フランスの片田舎の風情である。けれどもパリ東駅から30分しかかからない。このあたりで田舎暮らしのできる家に住んで、パリに通勤している人も、それなりにいるに違いない。

 Esbly を過ぎると、再び完全な農村風景が展開し、空いた列車は快走する。次が終点の Meaux で、約8分、途中駅はない。日本の大都市周辺なら、途中にも駅ができて、住宅開発が進むところだろうが、パリは大都市とはいえ、そこまで大きくならないようだ。


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 にわかに家が増えて、町並みが見えてくると、終着駅の Meaux に着いた。終点のここまで乗ってきた人は割といた。ここから先は本数が激減するようで、また他に乗り換え路線もないので、この列車で着いた人は、ほぼ全員、この町に住んでいたり用があって乗ってきた人のようである。


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 何の知識もなく来たこの町を、ぶらりと散歩してみた。パリの東40キロ、静かな郊外の小都市で、地味ながら落ち着いており、風格もある。町を流れるのは、セーヌ川の支流、マルン川で、かなりの蛇行を繰り返しながらパリ市内へと流れ込んでいる。町はチーズやマスタードなどで一部にその名を知られる程度だが、観光地として発展することもないであろう。それでも流石にパリへ通勤可能な距離とあって、不動産屋は目立ち、売家と貸家の両方とも取引は盛んそうに思われた。
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by railwaytrip | 2007-11-01 11:30 | フランス


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