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Manchester ~ Birmingham

 マンチェスターからバーミンガムへ、インターシティーで2時間弱の旅。イングランドを代表する工業都市・産業都市同士、列車本数も多く、鉄道が今も交通の主要な役割を果たしている区間であろう。風景はおおむね平凡で、イギリス屈指の退屈な区間であるが、鉄道発祥の国イギリスのビジネス特急は今いかに。

 イギリスは普通に切符を買うと馬鹿みたいに高いので、インターネットで事前予約してある。窓口買いの片道だと22ポンドだが、私の切符は9.50ポンドと半額以下。その代わり指定された列車にしか乗れない。それが、Manchester Piccadilly 発11時24分の Virgin Train。新型車輛の4輛編成。私の座席は3輛目の進行左窓側。各座席の下にパソコン用コンセントも付いている。この列車を選んだのは、この前後では、これが一番安かったからだ。座席指定だが、殆ど意味ないぐらい空いている。外も天気は今いち、どんより曇っているが、イギリスの冬の典型的な天気で、雨が降っていないだけでも良しとせねば。


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e0028292_22384072.jpg 最初は高層ビルも目立つマンチェスターの街を走り、9分で最初の停車駅、Stockport。ホームの赤い柱がちょっと印象的な駅だ。(写真左は、Stockport到着の手前の車窓。)ここで少し乗車があり、客が増えた。といっても3割にも満たない乗車率だ。そこを出るとにわかに農村風景になった。曇っているためか、昼近いのに何となくうすら暗い風景の中、列車はさほどスピードも出さず、淡々と走る。

e0028292_2239285.jpg 次の Macclesfield は、小さな町で乗り換えもないが停車。ここで早くも下車する客が多い。これは一応、Virgin の長距離列車であるが、別に特急料金があるわけでもないし、日本以上に短距離利用が多いようだ。この車輛の乗客は10人ぐらいになってしまった。ホームにいた女性駅員が、フライパン型の標識を恰好良く掲げて発車合図をする。

 外は農村で時々牛がいる。大体平地で時々ゆるやかな起伏がある。時々家が増えてきて、駅がある。イギリスの町はまだ結構鉄道に沿って開けたところも多いのか。工場もあり、大手スーパーのテスコが突然現れたりする。全くの田舎でもないのだ。分岐駅の Kidsgrove は、乗り換えもあるし、それなりの町のように見えたのだが、通過する。続いてその次の小駅、Longport を通過、ここは町は小さく、駅も大きくはないが、構内に引込み線があり貨車がかなり留置してあった。日本でいう昔の一般駅だろう。日本でも少し前まで当たり前だったああいう駅が、イギリスも減ってはいるんだろうが、まだ健在のようだ。

e0028292_22394168.jpg 次の停車駅、Stoke-on-Trent に停まると、また短距離利用者が数名降りる。イギリスの駅はどこもレンガ造りで重厚だ。さらに空いたかと思うと、ここでかなり乗ってきた。ここは郊外の田舎町という感じだが、遠くに10階建てぐらいの高層アパートが結構見えたりする。古い教会もあり、新旧渾然としている。レンガ造りの古い建物が多くて、日本の軽薄な風景に比べると重厚でいいようだが、冬はこれが逆に重苦しく感じてしまう。とはいえ、取り壊したりせず、ずっと残して欲しいとは思う。

 しばらく平凡な農村地帯を走ると、突然左手に大きな Wedgwood の工場が見え、その先ですぐWedgwood という小さな駅を通過した。そんな駅があるとは知らなかった。この駅を利用して通勤している工員もいるのだろうか。その先にはStone という分岐駅もあるが、ここは通過。雑然とした住宅地や工場の散在する場所だ。うすら寒い冬のイングランドの風景が展開する。駅を出るとまた農村となり、羊もいる。女の車掌が頻繁に検札に回っている。短距離利用者が多いからこの程度の混み具合でも結構忙しそうだ。車内で切符を買っている人もいるが、別にペナルティーフェアではないのだろうか。しかしこの列車、ちょっとスピードを出したと思うとすぐ遅くなり、結構時間がかかる。平均時速もそんなに速くなさそうで、逆に言えば工夫次第でまだまだスピードアップできそうな気がする。

e0028292_2240211.jpg Norton Bridge を通過。ここも分岐駅だが、農村地帯にあって人家も少ない寂しい所にある駅だ。こんな所でもイギリスのこのあたりは線路がかなり入り組んでいる。ここで別の幹線に合流した筈なのに、またのろのろ運転でスピードがでない。これでは車との競争に勝てず、客が減ってまた運賃が上がり、世界一高い鉄道になってしまうと、心配になる。そして駅間の何もない所で停まってしまった。(写真左はそこ場所の風景。)線路のすぐ脇を小川が流れていて、フィールドが広がっていて、小さな沼があり、その向こうに家が数十軒固まっている。寒々しい風景には変わり無いが、これも夏の晴天だとまた大いに違って見えるのであろうが。動き出した。沼がいくつかあって、野鳥の保護区にでもなっているのか。犬と散歩している老夫婦らしき人がいる。イギリスの冬の典型的な寂しい風景である。情緒があって良いが、長く滞在すると気が滅入りそうである。

 そこからほどなくすると、次の停車駅、Stafford に着く。だいぶ降りる人がいる。殆どが短距離利用者で、この車輛でマンチェスターから乗り通している客は、私の他には老夫婦1組だけではないかと思う。ここも大きくて重厚な駅だ。しかしどこも似ているといえば似ている。停車時間も長いが、特に遅れているわけではなさそうだ。こんなにのろい特急ではいけない。やる気がないのか、それともJR西日本じゃないけど、民営化後の混乱の反省でゆとりダイヤにしたのか。と思っていると、向こうのホームに同じ方向から別の Virgin Train がやってきて通過した。あれに抜かれるための停車か?あちらは6輛で、やはり空いていた。もしかするとこの列車はのろいから、それで切符が安かったのかもしれない。だから一層短距離利用者が多いのかもしれぬ。それでもなかなか発車せず、続いて貨物にも抜かれた。これでは鈍行だ。10分以上停まってやっと発車。

 Stafford を出てしばらく、やっと高速になった。隣に幹線道路が並行してくる。交通量が多い。イギリスも車社会だ。あいかわらず単調な農村で、さして素晴らしい景色でもない。時々家があったり工場があったりする。次の停車駅は Wolverhampton で、この駅名は列車の行き先としてロンドン・ユーストンでもおなじみだ。ユーストンからバーミンガム方面への列車の多くがここ行きなのである。バーミンガム郊外の街なのだろう。観光ガイドブックなどに絶対載っていない所だ。昔は鉄道の町だったに違いない。いや今も結構それなりかも。鉄道関係者が沢山住んでいそうだ。そう思っていると、工場や倉庫が目立って増えてきた。古いレンガ造りのもあるが、味気ないモダンなのも多い。ごみ捨て場もある。殺伐とした風景である。でも非常に味のある古い工場もあったりして、重厚な感じだ。取り壊し寸前の建物もある。実に重々しい。間もなく Wolverhampton というあたりまで来ると高層マンションは20階建てぐらいになる。しかし駅は意外とモダンで、重厚な駅ではない。古すぎて逆に新しくされてしまったのだろうか。これではますます降りたくなくなる。ここからバーミンガムはもう一息で、ここからは本数も増えるが、それでもこの列車に乗ってくる人がそれなりにいる。もう市内利用区間って感じだろう。停まった目の前に First class 専用待合室がある。ガラス張りなので外から中が丸見えなのだが、おじさんが一人だけ新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる。ここも停車時間が長い。遅れているわけではなく、定刻運転だが、余裕がありすぎるようだ。

e0028292_2240476.jpg そして定刻13時11分、バーミンガムの中心駅で、シティーセンターにも近い、Birmingham New Street に着いた。谷間にあって、上をビルが覆っているため、昼間でも薄暗い駅だ。最後までこれといって快適な走りっぷりを見せてくれず、インターシティーとは名ばかりの、短距離客の多いローカル急行という風情であった。

※ 車内から窓ガラス越しに撮った写真が多く、反射等で鮮明でない点、ご了承下さい。窓が開かないのでどうしようもありません。
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by railwaytrip | 2006-02-07 11:24 | イギリス