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Rothenburg ~ Nurnberg

e0028292_5211734.jpg ドイツ南部・バイエルン州にある Rothenburg (ローテンブルク)は、人口は1万人あまりの小さな町だが、壁に囲まれた古い町並みが完璧に再現されて整った美しい街として人気があり、ドイツでも一級の観光地になっている。鉄道に関しては、ここは幹線ルートからはずれていて、幹線の駅である、Steinach (シュタイナッハ)という駅との間を、短い盲腸支線によって結ばれているにすぎない。よってかなりローカルムードの味わえるローカル線になっている。その Rothenburg 駅、正確には、Rothenburg ob der Tauber という長い名前の駅から、この地方の中心都市である Nurnberg (ニュルンベルク)まで、鉄道で行ってみることにした。途中2回の乗換えが必要である。

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 Rothenburg の駅は、町壁の東の外側、最寄のゲートである、レーダー門から徒歩5分ほどのところにある。特に賑やかでもなく、寂しい所というほどでもない。駅前にはホテルもあるし、駅の横はバスターミナルにもなっている。駅舎は立派だし、駅構内も広く、鉄道全盛時代の遺物が色々見られる。これも先進国のローカル鉄道に共通の現象であろう。

 最初は9時06分発の Steinach 行に乗る。1時間に1本のこのローカル線は、小型2輛編成で、どちらかというとLRTに近いような車輛である。ローカル線問題はいずこも同じで、ドイツでもこのあたりの路線は、徹底的な省コスト化を図ることで何とか維持できているという感じがする。それでも朝の列車ゆえ、地元の人など20人ぐらいが乗っている。定刻に発車。

 駅を出ると間もなく長閑な牧草地帯になる。Steinach までは所要14分で、途中に小さい無人駅が2つある。その2つの駅はどちらも単線の無人駅で、周囲の人家も僅かで、乗降客もいない。よく残っていると思う。日本ではこういう駅を秘境駅といって一部の愛好家を喜ばせているようだが、鉄道マニアの比較的多いドイツでも、こういう駅に注目する人はいそうもない。何かと似ている面の多いドイツと日本だが、これについて、どちらが正常か異常か、どちらが進んでいるか末期的か…

 右手から本線が寄り添ってくると、ほどなく終点の Steinach である。ここは本線と2支線の分岐駅だが、町はきわめて小さく、乗客の殆どが乗り換える。町は小さいが、駅は立派で大きく、構内も広い。かつては貨物扱いなどもある運輸上の主要駅だったことがわかる。左下は駅前広場からの風景。


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 ここから Nurnberg に行くには、通常は Ansbach (アンスバッハ)へ出て、もう一度乗り換えるのだが、この時間帯に限っては、Ansbach 経由だと、Ansbach から Nurnberg までが特別料金の必要なICEになる。そのため、特別料金を払いたくない人は、Neustadt (ニュースタット)経由が最速となる。Nurnberg 着は、Ansbach 経由のICE利用だと10時18分なのに対して、Neustadt 経由だと10時55分。この程度の差であれば、ICEの特別料金を節約するため Neustadt 経由を選ぶ人もいるのではないか。私はただ単にローカル列車により興味があるので、Neustadt 経由を選ぶ。


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 Rothenburg からの列車は5番線に着く(写真左上)。ほどなく本屋前の1番線に、Neustadt からの、同じような軽快気動車の当駅止まりの列車も着く(写真右上)。こちらは客は僅かだ。いずれの列車で降りた人も、殆どが中間の2・3番線のホームへと地下道をくぐって乗り換えてくる。


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 それらの客の大半は、5分で接続する9時25分発・3番線の Treuchtlingen 行列車(写真左上)に乗っていった。これが Ansbach でICEに接続する。続いて2番線には、その反対方向、Wurzburg 行(写真右上)が、機関車を最後尾にしてやってきて、こちらにも少々乗り込む人がいる。これら本線はドイツらしく、電気機関車牽引の客車列車。日本では殆ど見られなくなったこの形態がドイツではまだ健在なのが嬉しい。そして1番線の折り返し Neustadt 行は、両方向の本線列車が出た後、それらからの乗り継ぎ客も受けて発車する。乗客はやはり20名程度であろうか。

 この線は、盲腸線ではないが、単線で、日中1時間に1本のローカル列車が運転されている。超ローカルではなく廃止には至らないが、旺盛な需要が見込めるわけでもないという、日本でもよく見られる地方路線である。しかし鉄道全盛時代の名残で、駅舎は立派な所が多い。2つほど小さな駅に停まり、多少の乗降客を扱う。その後しばらくすると右側が軍事基地となり、物々しい。その基地への最寄り駅の Illesheim (イレスハイム)に着く。駅の掲示でわかったのだが、軍事基地は米軍基地であった。それとは関係なさそうな一般客がある程度乗り込む。その次のBad Windsheim (バートヴィンツハイム)は、少し大きな駅で、大半の客が下車してしまう。代わってそれ以上の乗客が乗り込む。ちょっとした町のようだ。停車時間も長く、反対列車と行き違う。反対列車は見事に空いている。結局、このあたりからようやく Nurnberg の商圏というわけらしい。そして Rothenburg 方面からの客で、ちょっと安いからといって、こんなローカルルートを選ぶ人は殆どいないらしい。その後4つほど小さな駅に停まり、少しずつ乗客を増やし、定刻10時20分に Neustadt に着いた。


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 5分の乗り換え時間を利用して急いで写真を撮る。この町は、Steinach よりは大きいようだが、やはり乗換えがメインの、さほどの規模ではない町のようだ。Steinach からの列車から降りた客は30人ほどいただろうか、そのほとんどは、Nurnberg 行に乗り換えるようである。


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 定刻より数分遅れてやってきた Nurnberg 行の列車は、機関車が前後に付き、間に5輛の客車が挟まった列車だ。ドイツはまだまだ客車列車が圧倒的に多い。しかも古い客車ではなく、かなりの新車と見受けられる。こちらは幹線らしく、乗客もかなり乗っており、ここでまた乗り込む人が多く、7割ぐらいの乗車率となる。走りっぷりも幹線らしく軽快でスピードもそこそこ出ており、45分かかったローカル線よりもやや長い距離を30分で走破し、段々と家が建て込んでくると、沢山の線路の中を掻き分けながら、巨大な Nurnberg 中央駅へ着いた。


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 ここは下車する人、乗り換える人で終日賑わっている、主要駅である。ローカル線問題はいずこも同じと感じられたが、ドイツでは幹線系では今なお鉄道の需要は旺盛と見受けられた。この駅も大勢の人に利用されていて活気があり、思わずホッとしてしまった。
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by railwaytrip | 2007-02-01 09:06 | ドイツ