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Rothenburg ~ Nurnberg

e0028292_5211734.jpg ドイツ南部・バイエルン州にある Rothenburg (ローテンブルク)は、人口は1万人あまりの小さな町だが、壁に囲まれた古い町並みが完璧に再現されて整った美しい街として人気があり、ドイツでも一級の観光地になっている。鉄道に関しては、ここは幹線ルートからはずれていて、幹線の駅である、Steinach (シュタイナッハ)という駅との間を、短い盲腸支線によって結ばれているにすぎない。よってかなりローカルムードの味わえるローカル線になっている。その Rothenburg 駅、正確には、Rothenburg ob der Tauber という長い名前の駅から、この地方の中心都市である Nurnberg (ニュルンベルク)まで、鉄道で行ってみることにした。途中2回の乗換えが必要である。

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 Rothenburg の駅は、町壁の東の外側、最寄のゲートである、レーダー門から徒歩5分ほどのところにある。特に賑やかでもなく、寂しい所というほどでもない。駅前にはホテルもあるし、駅の横はバスターミナルにもなっている。駅舎は立派だし、駅構内も広く、鉄道全盛時代の遺物が色々見られる。これも先進国のローカル鉄道に共通の現象であろう。

 最初は9時06分発の Steinach 行に乗る。1時間に1本のこのローカル線は、小型2輛編成で、どちらかというとLRTに近いような車輛である。ローカル線問題はいずこも同じで、ドイツでもこのあたりの路線は、徹底的な省コスト化を図ることで何とか維持できているという感じがする。それでも朝の列車ゆえ、地元の人など20人ぐらいが乗っている。定刻に発車。

 駅を出ると間もなく長閑な牧草地帯になる。Steinach までは所要14分で、途中に小さい無人駅が2つある。その2つの駅はどちらも単線の無人駅で、周囲の人家も僅かで、乗降客もいない。よく残っていると思う。日本ではこういう駅を秘境駅といって一部の愛好家を喜ばせているようだが、鉄道マニアの比較的多いドイツでも、こういう駅に注目する人はいそうもない。何かと似ている面の多いドイツと日本だが、これについて、どちらが正常か異常か、どちらが進んでいるか末期的か…

 右手から本線が寄り添ってくると、ほどなく終点の Steinach である。ここは本線と2支線の分岐駅だが、町はきわめて小さく、乗客の殆どが乗り換える。町は小さいが、駅は立派で大きく、構内も広い。かつては貨物扱いなどもある運輸上の主要駅だったことがわかる。左下は駅前広場からの風景。


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 ここから Nurnberg に行くには、通常は Ansbach (アンスバッハ)へ出て、もう一度乗り換えるのだが、この時間帯に限っては、Ansbach 経由だと、Ansbach から Nurnberg までが特別料金の必要なICEになる。そのため、特別料金を払いたくない人は、Neustadt (ニュースタット)経由が最速となる。Nurnberg 着は、Ansbach 経由のICE利用だと10時18分なのに対して、Neustadt 経由だと10時55分。この程度の差であれば、ICEの特別料金を節約するため Neustadt 経由を選ぶ人もいるのではないか。私はただ単にローカル列車により興味があるので、Neustadt 経由を選ぶ。


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 Rothenburg からの列車は5番線に着く(写真左上)。ほどなく本屋前の1番線に、Neustadt からの、同じような軽快気動車の当駅止まりの列車も着く(写真右上)。こちらは客は僅かだ。いずれの列車で降りた人も、殆どが中間の2・3番線のホームへと地下道をくぐって乗り換えてくる。


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 それらの客の大半は、5分で接続する9時25分発・3番線の Treuchtlingen 行列車(写真左上)に乗っていった。これが Ansbach でICEに接続する。続いて2番線には、その反対方向、Wurzburg 行(写真右上)が、機関車を最後尾にしてやってきて、こちらにも少々乗り込む人がいる。これら本線はドイツらしく、電気機関車牽引の客車列車。日本では殆ど見られなくなったこの形態がドイツではまだ健在なのが嬉しい。そして1番線の折り返し Neustadt 行は、両方向の本線列車が出た後、それらからの乗り継ぎ客も受けて発車する。乗客はやはり20名程度であろうか。

 この線は、盲腸線ではないが、単線で、日中1時間に1本のローカル列車が運転されている。超ローカルではなく廃止には至らないが、旺盛な需要が見込めるわけでもないという、日本でもよく見られる地方路線である。しかし鉄道全盛時代の名残で、駅舎は立派な所が多い。2つほど小さな駅に停まり、多少の乗降客を扱う。その後しばらくすると右側が軍事基地となり、物々しい。その基地への最寄り駅の Illesheim (イレスハイム)に着く。駅の掲示でわかったのだが、軍事基地は米軍基地であった。それとは関係なさそうな一般客がある程度乗り込む。その次のBad Windsheim (バートヴィンツハイム)は、少し大きな駅で、大半の客が下車してしまう。代わってそれ以上の乗客が乗り込む。ちょっとした町のようだ。停車時間も長く、反対列車と行き違う。反対列車は見事に空いている。結局、このあたりからようやく Nurnberg の商圏というわけらしい。そして Rothenburg 方面からの客で、ちょっと安いからといって、こんなローカルルートを選ぶ人は殆どいないらしい。その後4つほど小さな駅に停まり、少しずつ乗客を増やし、定刻10時20分に Neustadt に着いた。


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 5分の乗り換え時間を利用して急いで写真を撮る。この町は、Steinach よりは大きいようだが、やはり乗換えがメインの、さほどの規模ではない町のようだ。Steinach からの列車から降りた客は30人ほどいただろうか、そのほとんどは、Nurnberg 行に乗り換えるようである。


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 定刻より数分遅れてやってきた Nurnberg 行の列車は、機関車が前後に付き、間に5輛の客車が挟まった列車だ。ドイツはまだまだ客車列車が圧倒的に多い。しかも古い客車ではなく、かなりの新車と見受けられる。こちらは幹線らしく、乗客もかなり乗っており、ここでまた乗り込む人が多く、7割ぐらいの乗車率となる。走りっぷりも幹線らしく軽快でスピードもそこそこ出ており、45分かかったローカル線よりもやや長い距離を30分で走破し、段々と家が建て込んでくると、沢山の線路の中を掻き分けながら、巨大な Nurnberg 中央駅へ着いた。


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 ここは下車する人、乗り換える人で終日賑わっている、主要駅である。ローカル線問題はいずこも同じと感じられたが、ドイツでは幹線系では今なお鉄道の需要は旺盛と見受けられた。この駅も大勢の人に利用されていて活気があり、思わずホッとしてしまった。
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by railwaytrip | 2007-02-01 09:06 | ドイツ

Manchester ~ Birmingham

 マンチェスターからバーミンガムへ、インターシティーで2時間弱の旅。イングランドを代表する工業都市・産業都市同士、列車本数も多く、鉄道が今も交通の主要な役割を果たしている区間であろう。風景はおおむね平凡で、イギリス屈指の退屈な区間であるが、鉄道発祥の国イギリスのビジネス特急は今いかに。

 イギリスは普通に切符を買うと馬鹿みたいに高いので、インターネットで事前予約してある。窓口買いの片道だと22ポンドだが、私の切符は9.50ポンドと半額以下。その代わり指定された列車にしか乗れない。それが、Manchester Piccadilly 発11時24分の Virgin Train。新型車輛の4輛編成。私の座席は3輛目の進行左窓側。各座席の下にパソコン用コンセントも付いている。この列車を選んだのは、この前後では、これが一番安かったからだ。座席指定だが、殆ど意味ないぐらい空いている。外も天気は今いち、どんより曇っているが、イギリスの冬の典型的な天気で、雨が降っていないだけでも良しとせねば。


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e0028292_22384072.jpg 最初は高層ビルも目立つマンチェスターの街を走り、9分で最初の停車駅、Stockport。ホームの赤い柱がちょっと印象的な駅だ。(写真左は、Stockport到着の手前の車窓。)ここで少し乗車があり、客が増えた。といっても3割にも満たない乗車率だ。そこを出るとにわかに農村風景になった。曇っているためか、昼近いのに何となくうすら暗い風景の中、列車はさほどスピードも出さず、淡々と走る。

e0028292_2239285.jpg 次の Macclesfield は、小さな町で乗り換えもないが停車。ここで早くも下車する客が多い。これは一応、Virgin の長距離列車であるが、別に特急料金があるわけでもないし、日本以上に短距離利用が多いようだ。この車輛の乗客は10人ぐらいになってしまった。ホームにいた女性駅員が、フライパン型の標識を恰好良く掲げて発車合図をする。

 外は農村で時々牛がいる。大体平地で時々ゆるやかな起伏がある。時々家が増えてきて、駅がある。イギリスの町はまだ結構鉄道に沿って開けたところも多いのか。工場もあり、大手スーパーのテスコが突然現れたりする。全くの田舎でもないのだ。分岐駅の Kidsgrove は、乗り換えもあるし、それなりの町のように見えたのだが、通過する。続いてその次の小駅、Longport を通過、ここは町は小さく、駅も大きくはないが、構内に引込み線があり貨車がかなり留置してあった。日本でいう昔の一般駅だろう。日本でも少し前まで当たり前だったああいう駅が、イギリスも減ってはいるんだろうが、まだ健在のようだ。

e0028292_22394168.jpg 次の停車駅、Stoke-on-Trent に停まると、また短距離利用者が数名降りる。イギリスの駅はどこもレンガ造りで重厚だ。さらに空いたかと思うと、ここでかなり乗ってきた。ここは郊外の田舎町という感じだが、遠くに10階建てぐらいの高層アパートが結構見えたりする。古い教会もあり、新旧渾然としている。レンガ造りの古い建物が多くて、日本の軽薄な風景に比べると重厚でいいようだが、冬はこれが逆に重苦しく感じてしまう。とはいえ、取り壊したりせず、ずっと残して欲しいとは思う。

 しばらく平凡な農村地帯を走ると、突然左手に大きな Wedgwood の工場が見え、その先ですぐWedgwood という小さな駅を通過した。そんな駅があるとは知らなかった。この駅を利用して通勤している工員もいるのだろうか。その先にはStone という分岐駅もあるが、ここは通過。雑然とした住宅地や工場の散在する場所だ。うすら寒い冬のイングランドの風景が展開する。駅を出るとまた農村となり、羊もいる。女の車掌が頻繁に検札に回っている。短距離利用者が多いからこの程度の混み具合でも結構忙しそうだ。車内で切符を買っている人もいるが、別にペナルティーフェアではないのだろうか。しかしこの列車、ちょっとスピードを出したと思うとすぐ遅くなり、結構時間がかかる。平均時速もそんなに速くなさそうで、逆に言えば工夫次第でまだまだスピードアップできそうな気がする。

e0028292_2240211.jpg Norton Bridge を通過。ここも分岐駅だが、農村地帯にあって人家も少ない寂しい所にある駅だ。こんな所でもイギリスのこのあたりは線路がかなり入り組んでいる。ここで別の幹線に合流した筈なのに、またのろのろ運転でスピードがでない。これでは車との競争に勝てず、客が減ってまた運賃が上がり、世界一高い鉄道になってしまうと、心配になる。そして駅間の何もない所で停まってしまった。(写真左はそこ場所の風景。)線路のすぐ脇を小川が流れていて、フィールドが広がっていて、小さな沼があり、その向こうに家が数十軒固まっている。寒々しい風景には変わり無いが、これも夏の晴天だとまた大いに違って見えるのであろうが。動き出した。沼がいくつかあって、野鳥の保護区にでもなっているのか。犬と散歩している老夫婦らしき人がいる。イギリスの冬の典型的な寂しい風景である。情緒があって良いが、長く滞在すると気が滅入りそうである。

 そこからほどなくすると、次の停車駅、Stafford に着く。だいぶ降りる人がいる。殆どが短距離利用者で、この車輛でマンチェスターから乗り通している客は、私の他には老夫婦1組だけではないかと思う。ここも大きくて重厚な駅だ。しかしどこも似ているといえば似ている。停車時間も長いが、特に遅れているわけではなさそうだ。こんなにのろい特急ではいけない。やる気がないのか、それともJR西日本じゃないけど、民営化後の混乱の反省でゆとりダイヤにしたのか。と思っていると、向こうのホームに同じ方向から別の Virgin Train がやってきて通過した。あれに抜かれるための停車か?あちらは6輛で、やはり空いていた。もしかするとこの列車はのろいから、それで切符が安かったのかもしれない。だから一層短距離利用者が多いのかもしれぬ。それでもなかなか発車せず、続いて貨物にも抜かれた。これでは鈍行だ。10分以上停まってやっと発車。

 Stafford を出てしばらく、やっと高速になった。隣に幹線道路が並行してくる。交通量が多い。イギリスも車社会だ。あいかわらず単調な農村で、さして素晴らしい景色でもない。時々家があったり工場があったりする。次の停車駅は Wolverhampton で、この駅名は列車の行き先としてロンドン・ユーストンでもおなじみだ。ユーストンからバーミンガム方面への列車の多くがここ行きなのである。バーミンガム郊外の街なのだろう。観光ガイドブックなどに絶対載っていない所だ。昔は鉄道の町だったに違いない。いや今も結構それなりかも。鉄道関係者が沢山住んでいそうだ。そう思っていると、工場や倉庫が目立って増えてきた。古いレンガ造りのもあるが、味気ないモダンなのも多い。ごみ捨て場もある。殺伐とした風景である。でも非常に味のある古い工場もあったりして、重厚な感じだ。取り壊し寸前の建物もある。実に重々しい。間もなく Wolverhampton というあたりまで来ると高層マンションは20階建てぐらいになる。しかし駅は意外とモダンで、重厚な駅ではない。古すぎて逆に新しくされてしまったのだろうか。これではますます降りたくなくなる。ここからバーミンガムはもう一息で、ここからは本数も増えるが、それでもこの列車に乗ってくる人がそれなりにいる。もう市内利用区間って感じだろう。停まった目の前に First class 専用待合室がある。ガラス張りなので外から中が丸見えなのだが、おじさんが一人だけ新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる。ここも停車時間が長い。遅れているわけではなく、定刻運転だが、余裕がありすぎるようだ。

e0028292_2240476.jpg そして定刻13時11分、バーミンガムの中心駅で、シティーセンターにも近い、Birmingham New Street に着いた。谷間にあって、上をビルが覆っているため、昼間でも薄暗い駅だ。最後までこれといって快適な走りっぷりを見せてくれず、インターシティーとは名ばかりの、短距離客の多いローカル急行という風情であった。

※ 車内から窓ガラス越しに撮った写真が多く、反射等で鮮明でない点、ご了承下さい。窓が開かないのでどうしようもありません。
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by railwaytrip | 2006-02-07 11:24 | イギリス

Régua ~ Vila Real

 ポルトガル第二の都市、そしてポルトワインのふるさと、さらに国名の由来にもなっている、ポルト。鉄道は海岸線沿いに幹線が走っている他、内陸にドウロ川を遡り Pocinho まで行く線もある。この線は1988年までは、さらに先へ続いており、国境を越えてスペインに通じていたそうだが、利用者減で廃止されたらしく、今は盲腸ローカル線になっている。ローカル線にしては距離が長く、ゆったり流れるドウロ川に沿って延々と走る車窓は魅力的だ。

 そのほぼ中ほどに Régua という街がある。その Régua から Vila Real まで支線が出ている。それに乗って Vila Real を往復してみた。Régua はこの線沿線の、そしてドウロ川沿岸で最大の町。本線列車も最低3分は停車するし、ここから先は本数が半減するという所だ。そこから出ている支線は、小さなレールバスが1輛で一日5往復しており、お客も少なく、存続が心配なローカル線である。但し終点の Vila Real はそんなローカル線の終着とは思えぬ大きな街なのだそうで、ポルトとの行き来もそれなりにあるようだ。但し交通の主役は車とバスらしい。ポルトと Vila Real の間には、立派な幹線道路が通じている。


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 この線は本線とは線路幅の違う、ナローゲージなのである。Régua を出るとしばらくは本線と同じ線路を走る。この区間は4線軌条になっている。つまり、幅の広い本線の2本のレールの内側に、幅の狭い支線の2本のレールが敷かれている。本線の Pocinho 方面と同じ線路をしはらく走り、長い鉄橋を渡る。渡り終えた所で左へ分岐する。


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 分岐を終えた所に Corgo という駅がある。この駅は本線の列車から良く見える。線路幅の違う分岐点にあり、複雑なポイントがあり、それを管理するためであろうか、ここには駅員がいる。本線の列車がこの駅の脇を通る時も、駅員が列車を見送っているから、駅員といっても信号所係員なのだろう。周囲は人家も少なく、乗降客は少ない。ここは Régua の町のはずれ、といった程度の距離で、Régua の駅から歩いても距離的には知れていると思ったのだが、道路がなさそうだ。渡ってきた鉄橋はかなり長く、深い谷を形成しており、その鉄橋以外に目に入る範囲で道路の橋はない。この駅の周囲に住んでいる人が Régua の町へ行く時は、かなり大迂回をして車で行くか、このローカル列車に乗るか、さもなければ鉄橋を歩いて渡るか。その鉄橋は保線用の歩道はあるが、日本なら絶対に一般人の歩行は許されないだろう。こういった事は国によって基準が違うので、ここがどうなのかはわからない。この駅の脇には廃車となった古い気動車がボロボロになって3輛ほど並んでいる。

 さて、1輛の小さなレールバスは、Corgo を出ると細い線路を右へ左へとカーヴを繰り返しながら上って行く。直線は殆どない。谷は非常に深く、線路が敷かれているのはその崖の中腹よりちょっと上だろうか。車窓は概ね、左が谷、右が山となっている。Vila Real へ向かう時の席は左側がお勧めだ。勾配もカーヴもかなりきつく、険しい谷に沿って行く。次の Tanha は通過。リクエスト・ストップの駅で、乗降客が無ければ通過するシステムだ。実際、利用者の少なそうな閑散とした所にあった。その後も数キロごとに駅があり、乗降客が一人か二人。駅周辺は小さな村になっており、人家がいくつか固まっている。大きな道路はなく、メインの道路は川の対岸を走っている。そこと結ぶ橋も見当たらない。このあたりの家も流石の現代では車を持っているところが多いだろうが、車があっても行き来が大変そうだ。圧巻は Carrazedo 駅とその先で、この駅の左側、山の中腹の高い所を線路が通っている。そこまで、ぐるりと大カーヴを描いて上って行く。駅を出てから、再び左の車窓に駅を見下ろすまで3分ほどかかる。その後、もう一つ、リクエスト・ストップの小駅を通過し、Régua から50分余りで終着の Vila Real に着いた。


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 Vila Real は今は無人化されており、待合室も閉鎖されている。10人ほどの乗客は待合室の脇の細い通路から駅前へ出て、迎えの車で、あるいは徒歩で、散ってしまった。しかしこの駅舎の立派さはどうであろう。駅前広場も広く、この山峡の町にとって、かつては重要な交通機関であったことが偲ばれる。駅のそばには小型の蒸気機関車が保存されていた(写真左下)。当然その昔は蒸気機関車だったのであろう。この深い谷に沿ってカーヴの続く線を走っていた頃を見てみたかったと思う。


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 駅から歩いて5分ほどで深い峡谷にかかる橋を渡ると対岸が町の中心である(右上の写真はその橋からの眺め)。かなり大きな町で、これだけの町なら鉄道需要も十分ありそうだが、今やこのナローゲージのローカル鉄道は風前の灯火に見える。町には相当数の車が行き交っていて、鉄道とは別ルートで各方面へ良い道が通じているのであろう。

 折り返しの列車もやはり乗客は10人ぐらいで、行きとほぼ同じであった。やはりリクエスト・ストップの2つの小駅は乗降客がなく通過したが、それ以外は各駅とも1人か2人の乗降客があった。
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by railwaytrip | 2006-01-28 15:10 | ポルトガル

Hoofddorp Station

 オランダ・アムステルダムのスキポール空港は、ヨーロッパ有数の巨大な空港だが、その割とスムーズで、飛行機を降りてから列車に乗るまでの時間が短くて済む。なので、2時間弱の乗り継ぎの待ち時間を利用して、鉄道旅行!流石にこれは無茶かもしれない・・・

 入国審査官のおばさんに、珍しく質問された。「オランダのどこに行くのか」と。困ってしまって、「乗り継ぎの間、空港周辺をうろうろしたい」「待ち時間はどれぐらいか」「2時間だけ」「それでは無理だ、ここは大きな空港で、出国審査やセキュリティーチェックにも時間がかかるよ、中で待っていなさい」と、入れてくれない感じ。多分、半分親切のつもりなのだろうが、それでも最後は、入国するか否か、決めるのはあなた、という感じで、どうするかと聞いてきたので、「イエス」と言うと、スタンプを押してあっさり通してくれた。

 最近確かに各地の空港のセキュリティーが厳しくなっていて、昔に比べて飛行機に乗るまでの時間がかかるようになっている。それでも2時間あれば、アムステルダム中央駅まで往復して、中央駅付近の運河の雰囲気にちょっと浸って戻ってくることもできる。しかし何度も行っているそのような場所ではなく、反対方向に行こうと思って時刻表を見る。3駅目がライデンで、そのあたりまで行って戻ってくるのはさして難しそうではないが、本数が少ないので、あまりに慌しいのもなんだなと思い、スキポールの隣駅、Hoofddorp(ホーフトドルプ)という所にとどめることにした。昨年、パリで飛行機に乗り遅れたばかりなので、きわどいことをするのはやはりちょっと心配という気持ちもある。こんな遊びで乗り遅れたのではしゃれにもならん。

 というわけで、まず券売機で往復切符を買う。3ユーロ。1駅だから安いとは言えないが、まあこんなもの。すぐに2輛編成の短い、Hoofddorp止まりの列車が入ってくるので乗る。そういう列車があるため、ここまでならば本数も多い。


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 残念ながら、面白い場所ではなかった。まあ、空港の近くだし、あまり期待はしていなかったが、駅周辺には商店すらなく、無機質な感じの駅の周囲は、ただただ近代的なオフィスビルばかり。それもトマスクックだとかキャノンだとか、一流企業も多く、国際都市アムステルダムの空港に近いビジネスパークになっているようであった。

 あとは駅にバスがかなり頻繁に発着している。折から夕方、ここからバスで郊外の住宅地へと帰宅するオランダ人にも、この駅はかなり利用されているのであろう。このあたりで勤務を終えて帰宅するビジネスマンも、この時間、ある程度の乗車がある。そんな場所であった。


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 ホームがえらく長い。その長いホームの一番スキポール寄りから歩いて来る人が時々いるので、行ってみると、そこにも、もう一つの出口がある。人が行き来していなければ、あちらにも出口があるとは想像つかない。そちらは落書きの多い階段を下りて下の道路へ出るだけであった。改札口のない欧州の鉄道では、こうして出入口を増やすのも容易だ。それでもその高架下に自動券売機は置いてあった。
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by railwaytrip | 2005-07-11 18:10 | オランダ

Mordrup Station

 ここはデンマークの首都コペンハーゲンから少しばかり北上したあたり。コペンハーゲンから北への線路は、途中のHellerup(ヘレルプ)で2本に分かれ、1本はHillerod(ヒレレド)へ、もう1本は港町Helsingor(ヘルシンゲル)へと至る。そのHellerupは、日本で言えば国電区間の終点みたいな駅だが、そこから先も、コペンハーゲン直結の幹線だけに、それなりに長い編成の列車が比較的高頻度で走っている。

 そのHillerodとHelsingorとを結ぶ線となると、コペンハーゲンへ直結しないローカル線となる。その中間、Helsingorに近い側にある駅の一つが、ここMordrup(メルドルプ)駅だ。単線のローカル線だが、そうは言っても日中30分毎に運転されており、東京で言えば相模線あたりに相当する。けれども風景はかなり長閑で、純農村地帯という感じになる。そう、しいて言えば札幌郊外だろうか。高緯度のデンマークだけに、雰囲気的にもそれが比較的近い。


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 この駅は単線だが、踏切を挟んで、上り方向と下り方向と、ホームが別々にある。これは結構珍しいと思う。どちらも、列車は踏切を過ぎた後でホームに停車するのである。これは恐らく、踏切遮断時間を長くしないための配慮かと思われるが、その踏切も、心配するほどの交通量はなかったのであるが・・・

 ホームの目の前が小さくて小綺麗な牧場で、牛や馬がいた。日高本線にもこんな駅があったような気がする。

 列車を待つ若い女性が一人、カメラを持ってホームをうろうろする一人の東洋人を、うさん臭げに見る。これはデンマーク人の典型的な反応だろうか。国によってはもっとフレンドリーに、ハローとか声をかけてくるものだが、このあたりからも、国民性を感じ取ることはできる。彼らは決して不親切とか無愛想というわけではないが、欧州の中でも北欧は個人主義観がかなり発達しているという印象がある。


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 デンマークの主要路線の鉄道車輛は、殆どが同じで、ゴムを巻いたような黒い車輛で、個人的には今ひとつ好きになれない。けれども、こういうローカル線に行けば、古くて味のある車輛が使われている。ここは車内も空いていて、長閑な旅を楽しむには良い。コペンハーゲンからもさほど遠くないので、何かで時間が余ったら、このあたりにちょっと足を伸ばしてみては如何かと思う。
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by railwaytrip | 2005-05-13 09:20 | デンマーク

North Woolwich Station

 テムズ川南岸のロンドン郊外、グリニッジより少し東にある、BRのWoolwich Arsenal 駅は、ロンドン郊外のゾーン4にあり、まあまあ賑わっているといった感じの駅だ。ここから、歩行者天国の商店街を抜けると、レジャーセンターなどのある河岸に出る。

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 ここには、テムズ川の下をくぐって北岸に出る、歩行者専用のトンネルがある。このトンネルの存在は、ロンドンの鉄道路線図にも載っている。その入口は、丸い赤レンガの建物で、階段とエレベータとがある。折角なのでエレベータのボタンを押して待ってみた。動いているのかどうかわからなかったが、ほどなくドアが開いて黒人のおばさんが降りてきた。入れ違いに乗り込む。

 かなり古いトンネルらしい。利用者はさほどいないが、時々人とすれちがう。ちょっと不気味な感じもするが、そこはイギリス、勿論、あちこちに監視カメラがあり、安全は常に監視されている。歩いて5分ぐらいだろうか、同じような造りの階段とエレベータがある。今度は階段を使ってみた。こちらもやはり同じような赤レンガの建物である。


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 南岸に比べると、ここ北岸は、新興開発地という感じで、はるかに閑散としている。バス乗り場があり、いくつかの行き先があるが、人も少ない。しかし少し先には高層マンションがいくつもある。すぐそばにはBRの North Woolwich 駅がある。ここは行き止まりの終着駅で、ゾーン3に属する。


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 単線の小さな駅で、人が誰もおらず、窓口も閉まっている。おかしいなと思って見てみると、貼り紙があった。今、工事で運休中らしい。イギリスでは、こういう事は珍しくないが、折角の盲腸線に終点から乗れないのは残念である。というのも、実はこの線はこの最後の1駅だけが未乗車なので。こちらから行くと最初の駅、Silvertown は、やはり小さな駅だが、ロンドン・シティー空港まで歩いて5分とかからない場所にあり、以前に一度、そこから歩いて空港へのアクセスとして利用したことがある。あまり知られていないルートだが、知っている人は使っているようで、同じような歩行者がもう2人ぐらいいたように記憶している。
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by railwaytrip | 2004-08-30 12:58 | イギリス