島原鉄道・安徳駅

 島原鉄道が島原外港以南の廃止を表明した。相次ぐローカル私鉄廃止の一つといえばそれまでかもしれない。だが、この廃止予定区間の一部は、1990年代に雲仙普賢岳の噴火により延べ5年余りに渡って長期不通となったのである。災害を機に廃止されるローカル線は過去にも多くの例があるが、島原鉄道ではその時、新線建設同様の投資をして復旧させた。その後は観光トロッコ列車なども走らせて、災害後の観光振興にも貢献している。だがそれから僅か十年余り、再び災害に見舞われたわけでもないのに廃止とは、残念でならない。


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 土石流によって鉄道の線路も流されてしまった水無川鉄橋。災害の後、新たに立派な鉄橋ができ、その北側にある安徳駅も、ローカル私鉄らしからぬ高架駅となった。よってこの駅は、コンクリートが目立ち、他の駅のようなローカル線の情緒には乏しい。

 駅のすぐ南を水無川の本流が流れ、鉄道の鉄橋が、その海側には道路橋もある(写真左下)。知らなくても新しい橋だとわかる、ある意味、現代的な風景である。西に目をやればいやでも目に入るのが、普賢岳と、その少し手前右手にある平成新山である。写真右下は、この高架ホームから見た山。この山の南西には雲仙の温泉街があり、今は平和な観光地・保養地として客を呼んでいる。もっともシーズン以外は客不足で悩んでいる旅館も多いそうだ。

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 現在の安徳駅は、勿論無人駅で、島原鉄道全体の中でも乗降客は少ない。駅周辺には古い集落も残っているので、全てが溶岩に流されたわけでもなさそうだ。今、災害のすさまじさを直截に感じるには難があるが、このローカル線にしては立派な駅や鉄橋などの鉄道施設が、間もなく廃墟となると思うと、複雑な感情を抱かずにはいられない。
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by railwaytrip | 2007-03-22 15:15 | 九州・沖縄地方


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